滝山会長インタビュー

新しい価値観を創造する斬新な企画力が求められる

CS/BSペイテレビ広告の普及発展を目指し活動する、衛星テレビ広告協議会(滝山正夫会長、以下CAB-J)。2014年6月、そのCAB-J会長に(株)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント業務執行役員および(株)アニマックスブロードキャスト・ジャパン社長の滝山正夫氏が就任した。ここでは、滝山CAB-J会長にCS/BSペイテレビ68チャンネルで組成されるCAB-J の15年度の方針や展望を聞いた。

Profile Takiyama Masao
滝山正夫氏 衛星テレビ広告協議会(CAB-J)会長

広告売上比率向上でさらなるコンテンツ強化を

―2014年4月にCAB-J会長に就任されましたが、感想は。

滝山:日本のCS/BSペイテレビは、視聴料が主な収入源となっており、あらゆるプラットフォームを通じて放送されることで視聴者拡大を進めていくことが重要な施策になります。そのため、どうしても自社チャンネルを広告媒体としてセールスすることについては、各社の対応はさまざまです。熱心な事業者もあれば、それほど注力されていない事業者もあり、その温度差を感じました。

日本におけるペイテレビの事業収入の内訳を見ると、大体70~80%が視聴料収入で、残りが広告セールス等のその他売上になるかと思います。アメリカのペイテレビの収入比率を分析すると、視聴料収入と広告収入の比率が50:50近くになっています。日本での新聞や雑誌のビジネスモデルに近いものです。日本でも理想は、ここに近づけるイメージだと思います。

CAB-J会員全社参加で接触率データの強化を

―15年度におけるCAB-Jの強化ポイントは。

滝山:最も注力すべき点は、接触率調査の強化およびデータの整備です。ペイテレビは、専門チャンネルです。あるジャンルに特化したコンテンツが多数ラインナップされた集合体です。例えば「ゴルフネットワーク」や「釣りビジョン」などは、そのジャンルに特化した商品にとっては、究極のプロダクトプレイスメントが可能なメディアです。海外ドラマ系チャンネルならば、メディアリテラシーが高く、海外志向の強い女性層の多くに支持されており、その層をターゲットとした商品との親和性は非常に高いといえます。そのメリットをより訴求するためには、データの裏づけが必要です。

CAB-JではBS放送に先駆けて07年から、機械式接触率調査を行なっています。現在、CAB-J会員68チャンネルのうち、38チャンネルが調査に参加していますが、まずは調査に加わるチャンネル数を拡大し、ゆくゆくはCAB-J会員全チャンネルが参加するところまで持っていきたいと考えています。

CS/BSペイテレビ業界をより発展させるには標準指標を作るべきであり、それが機械式接触率調査だと思います。機械式接触率調査は、5分単位でかつ個人視聴率の測定が可能です。このデータは日々の編成業務やコンテンツ制作および調達にも必ず役立つものだと思います。業界基準となるデータの確立は、メディアの信頼につながるものです。メディアとしての信頼なくして、さらなる市場拡大は難しいでしょう。セグメントされた視聴者属性、高所得者層に支持されているメディアであることを数値化し、きちんと理論武装して伝えていきたいと思います。

意識改革とPR強化で変化を起こします

―広告会社および広告主に向けて「CAB-Jセミナー」を開催していますが、参加者からの反響および今後の方針は。

滝山:ペイテレビの広告事例は、バリエーションが豊富です。長尺CMはもちろん、放送と連動したイベント展開、アーティストとのコラボCM、CMの映像制作までを手掛け、放送だけでなくその映像が店舗等のプロモーションとして活用されるなど、ペイテレビ広告の特長が発揮されていると思います。

セミナーでは、これらの広告事例を実際の映像を交えて紹介しており、参加された方々からは「こんなこともできるんだ」「面白い」と好評です。しかし、ペイテレビ広告は、企業内での認知度は低く、まだまだ提案型モデルだと思います。セミナーを通じて、広告会社、広告主の方々とコミュニケーションを図り、実際の事例を直接見てもらい、理解を深めて頂ければと思います。

13年からは東京と大阪に加えて、福岡でも開催しています。広告会社や広告主の方々により多く参加して頂ければと思いますし、私たちペイテレビ事業者の経営陣にも参加して頂ければと思います。

―最後に15年度に向けての抱負をお願いします。

滝山:日本ではネット広告やモバイル広告市場が急成長しています。またネット広告もテキストから動画へとリッチになり、リターゲティング広告として今後さらに広がっていくでしょう。海外に眼を向けると、広告付きVOD(AdVOD)が盛んになり始めています。日本でも今後AdVODは確立されていくでしょう。ペイテレビもノンリニアサービスとして提供したほうが良いかもしれません。放送サービスで広告出稿頂いたものをVODでも提供するなどの広がりを持たせていくべきです。プライベートメディアの側面があるペイテレビは、モバイルとも親和性が高いと思います。

マルチデバイス視聴が広がりをみせるなか、放送単体での広告営業ということではなく、モバイルメディア事業者とコラボし、テレビ&web&モバイルなど、さまざまなアウトプットを持ち、広告主のお手伝いができるようにしていくことが大切だと思います。新しい価値観を創造する斬新な企画力が、今私たちに求められていると思います。 まずは、CAB-J会員各社の意識改革を進めていきます。そして、CAB-Jとして、ペイテレビ広告の啓蒙を日々絶えず行なっていきます。会員各社の意識改革とプロモーションを強化し、ペイテレビ広告に変化を起こしたいですね。

※月刊『B-maga』2015年5月号掲載時のインタビューの一部を掲載。

2014年度の4つの活動方針

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