活動報告

CAB-J 勉強会2018の実施
電通総研 奥律哉氏を講師に招き、「メディアとしての衛星放送の現在地」

2018/09/25

衛星テレビ広告協議会(東京・港区、滝山正夫会長、以下CAB-J)は9月5日、赤坂TBS放送センターの大会議室にて、正会員および賛助会員を対象とした勉強会を開催した。
今回は、(株)電通 電通総研 フェロー 電通メディアイノベーションラボ 統括責任者の奥律哉氏を講師に招き、「メディアとしての衛星放送の現在地」と題したセミナーを開催。当日は、112人が参加した。

奥氏は、2016年時における動画映像市場全体(サイネージ広告は含まず)を紹介。動画映像市場の総額4兆4,500億円で、うち民放(広告費)とNHKが50%以上の売上げを占め、CS放送は1,700億円、ケーブルテレビ(放送分)を5,000億円とのこと。また、有料動画配信は1年で200億円市場まで成長したことを解説。
動画映像市場の50%以上を占めるテレビだが、29歳以下の世帯主の人たちの18年3月時点でのテレビ世帯普及率は89.0%で、これは10年前から10ポイント減少しているとの指摘がされ、「広告費で考えた場合、この数字に危機感を持つべき」とした(※テレビ普及率は内閣府の『消費動向調査』より)。

続いて「スマホとテレビ利用の潜在時間の長さ」をさまざまな調査データとともに紹介。奥氏によると、スマホは多くのユーザーが複数分野のアプリを起動し、起動回数は個人全体で85回(1日)にも及び、利用時間は3時間にも迫る。ただし、利用するアプリ等を分析すると、「一回の利用時間はとても短く、コミュニケーションツールとしての利用頻度が高く、その利用がエンタテイメント系利用より優先される」。

続いて、ネット接続されたテレビデバイスにおける視聴状況では、「ネット接続し、何らかのOTTサービスに加入している」ユーザーは、OTTコンテンツをテレビで見たいと思う人が多いこと示し、「動画視聴のデバイスはテレビ。満足度もテレビが高い」と語り、「放送サービスはOTTに視聴時間を奪われているとも言えるので、CS/BS放送もIPストリーム上に入っていかないと今後しんどくなっていく」と話した。

また、地上波と衛星放送の視聴行動の違いにも触れ、奥氏は「地上波は“ながら視聴”の王様。一方、CS/BS放送は“専念視聴”が主。CS/BS放送は、リーチは広くはないが、長時間視聴している人たちも多数います。また、BSは年配者のメディアとされていますが、若者のなかにも相当視聴している層もいて、特に年配者と一緒に住んでいる(二世代・三世代家族)若者は視聴している傾向がある。今後の成長を考慮すると、ここをトリガーとしていくことが重要では」と語った。

最後に「年配になればテレビを視聴するということはなく、若いときに接したメディアを加齢しても見続ける傾向がある。マスメディア離れしている若者を振り向かせるコンテンツの作り方を分析する必要がある。テレビの最大最後の優位性は、セッションの長さ。このメリットを使った広告の見せ方を示したほうが良い」とした。


写真:奥 律哉氏

■ 開催日:平成30年9月5日(木)
■ 会 場:TBS放送センター会議室(赤坂)
■ テーマ:「メディアとしての衛星放送の現在地」
■ 講 師:株式会社電通 電通総研 フェロー 奥 律哉 氏
■ 参加者数:正会員・賛助会員121名

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